新入社員の研修期間を密着レポしますPartⅠ

春 満開の桜

4月になり進級した方、進学した方、就職した方、皆さんそれぞれの新しい世界に胸をわくわくさせているのではないでしょうか。4月1日、当社にもフレッシュな新入社員が入社し、約3か月間の試用期間研修がスタートしました。この記事ではその研修期間の様子や研修内容を、新入社員が作成した研修報告や調査しまとめたレポートなどをご紹介しながら数回にわたりお伝えします。

長い一日の始まり

入社辞令を社長から社員に渡している様子 新入社員挨拶

朝まで降っていた雨の影響で、作業前に行う「ラジオ体操」は予定していた「青空の下」から、工場内車輛入庫スペースでの実施になりましたが、徐々にお天気は回復し、気持ち良く一日をスタートする事ができました。工場内から移動し場所を変えて行われた入社式は、新入社員を歓迎するため先輩社員も参加し、当社ならではのアットホームな入社式となりました。社長からは「安全第一で」「失敗は成長の糧に」というお話しと新入社員へ激励の言葉があり、直接「入社辞令」や「作業着」が手渡されました。人前で話しをすることは誰しもが緊張するものですが、新入社員自己紹介では、とても堂々とした挨拶ができました。配属を予定されている上司からの言葉を受け、翌日から始まる試用期間研修を通して「松本ESテックの社員としての自覚」を身につけていってください。

初めての昼食~ランチ懇談会~

春らしいランチのお弁当 新入社員歓迎ランチの様子

新入社員とその指導に携わる先輩社員、社長を交えてランチ懇談会を実施しました。できるだけ和やかな雰囲気の中で、との考えから、春らしい可愛いお弁当を用意し、社長室で会食です。社長との昼食は先輩社員も若干緊張気味のようですが、おいしいお弁当はしっかりと味わってもらえたようです。

入社オリエンテーションでは

人事担当者と一対一で(同じ事業所入社が複数名いる場合は複数で)オリエンテーションを実施します。必要書類の提出や会社でのルール、就業規則の説明、モチベーションリソースの確認、社会人になるという事の意味、そして社会の仕組み~保険、税などについて、一日かけてのオリエンテーションは、色々な意味で慣れていなかったり、分かりにくかったりする事もありますが、これから必要な知識であることを確認し、長い緊張の一日が終了しました。

社会人になるということ

当社の新入社員オリエンテーションでは、初めに「社会人になることの意味」についてお話しします。職場と学校の違い、社会人と学生の違い。いろいろな意味での責任の重さや、社会とのかかわり方を話しながら、その違いにふれていきます。学生の間は納めていなかった社会保険料や税金などを納めたりすることもその違いの一つです。いろいろな形で社会のサークルに参加し、社会に貢献する立場になり、「与えられる側」から「与える側」へと変わっていく、3月31日と4月1日では立場も責任の重さも違うのです。すぐに切り替えるのは難しいかもしれませんが、徐々に「社会人として」成長                                                してもらえると嬉しいです。

「新入社員研修」の内容を改定しました

従業員研修の文字

昨年までの新卒入社試用期間研修は、入社日の午後から仮配属の部門に入り、OJT研修を実施しながら必要な外部研修に参加していました。中途採用ではない新卒採用の社員が本当にそれでよいのか。初めて社会に出た新入社員はどこの会社に行っても恥ずかしくない、社会人としての一般的なビジネスマナー、コミュニケーションの基礎、ビジネス文章の書き方など、当社以外の会社でも通用する「社会人としての基本的な知識」を身に着ける必要があります。そこで今年の新卒採用の社員は2週間人事担当者が研修を受け持ち、ビジネスマナーの外部研修、安全教育、松本ESテックの製品の材料となる「電磁鋼板」や「当社の各工程」「モータ」「品質管理」について、調査したり学習したりした後に現場実習に入る、というスケジュールに変更しました。

外部機関での新入社員研修

研修2日目、3日目は外部機関で実施された「新入社員研修」に参加しました。社会人としての心構えである「社会人として何を求められるか」「学校と会社の違いは何か」の講義からスタートし、「ビジネスマナー」「仕事の進め方」「コミュニケーション」「ビジネス文書の書き方」などを学びます。参加した新入社員の研修報告書を以下にご紹介します。

「新入社員研修」外部研修報告書

社会人としてのスタート

主に職場と学校の違いや職場の基本的なルールについて学びました。職場と学校の違いではグループワークをし、自分が考えていたことの他にもたくさんの違いがあることを学びました。また職場のルールでは無遅刻無欠勤、書類は裏返しにする等自分だけでなく他の人への配慮についても学ぶことができました。

ビジネスマナー

挨拶やお辞儀、名刺交換などといった社会人になって使う基本スキルを学びました。この中で敬語の学習もしたのですが、尊敬語と謙譲語が混ざっていたり、使い分けができていなかったりとまだまだ未熟であることを実感し、講習内容を忘れないようにしようと思いました。

仕事の進め方

Plan Do Check Actの文字を刻んだ歯車

「ホウレンソウ」や「PDCA」といった事務職に限らず、現場職でも使用するスキルを学びました。特に「ホウレンソウ」に関しては現場職ではとても大事であり、ミスによる損失を最小限にとどめる可能性があることから、今後も実践していきたいと思いました。また、受命に関しては5W1Hをしっかりと聞き、ミスや失礼のないように動こうと思いました。

コミュニケーション

コミュニケーションにおいて大切な「聞き方」「話し方」「聞く、聴く、訊く」の違いなどを学びました。話し方に関しては、整理して順序良く話すこと、「きく」については文章内で使用することが多い言語であることから、使い分けをしっかりしようと思います。

ビジネス文書の書き方

社外用文章の書き方、電子メールの書き方などを学びました。HTML形式で送らない事、CC、BCCを利用することや、季節のあいさつの使い分けなどを学び、仕事中に限らずプライベートでも使用できるスキルであると実感しました。

社内研修

社外新入社員研修終了後、いよいよ本格的に社内研修が始まります。本人が苦手だと話してくれた「一日座った状態」での研修です。苦手でもとても前向きに取り組む様子をお伝えします。

ビジネスマナーの実践

電話応対している様子

研修4日目のスタートは外部研修報告書作成から。ひな形は渡さず、「報告書にはどんな項目が必要か」を自分で調べて研修報告書を作成します。(その内容は前項をご確認ください)その後は財務・総務部で研修成果を即実践です。電話を取ったり、来客対応をしたり、と、現場OJTでは経験できない一般的なビジネスマナーをアウトプット。「電話を取るのがとても苦手です」と言いながらも「誰よりも先に」電話を取ろうとする前向きなその姿と、ベテラン社員も見習いたい「正しく丁寧な電話応対」に驚かされました。

安全教育

研修5日目は現場では欠かせない「安全」について、一般的な「KYT」「リスクアセスメント」のDVDを視聴し「危険を予知するトレーニング」「リスクを評価する」ことについて学習しました。特に製造業での「KYT」「リスクアセスメント」の実施は重要な取り組みで、災害や健康障害を未然に防ぐための有効的な手法です。学習後、社内作業現場を回り「今感じるリスク」を抽出し、対応策案までをレポートしました。長い期間現場で就労していると「慣れ」てしまっていて何も感じないことでも、「フレッシュな視点」からは「リスク」として映ることもあります。その「フレッシュな視点」がとても大切で、必要です。今回提出されたレポートは社内提案制度の「改善提案」としても提出されました。

KYTとは?

指差し呼称

KYTとは「危険予知訓練」の略で、「危険(K)」「予知(Y)」「訓練(トレーニング)T」を意味します。具体的な進め方は、作業現場や職場に潜む危険や危険要因を予測し、それが引き起こす現象を理解し、その危険に対する意識や問題解決のための対策を話し合い、行動目標を定めます。更に、その行動目標や危険箇所を指差し呼称によって意識的に繰り返し確認することで、危険情報を潜在意識に叩き込みます。潜在意識下におかれた危険情報は「指差し呼称」で顕在意識に呼び起こし、安全な行動につなげるための手法です。以下にあげる「KYT4ラウンド法」と呼ばれている4段階で進める手法が一般的と言われています。

「1R:どんな危険が潜んでいるか(現状把握、危険要因やその現象を想定する)」

「2R:これが危険のポイントだ(危険の把握、評価する)」

「3R:あなたならどうする(解決する手段を考える)」

「4R:私たちはこうする(チームとしての行動目標を設定する)」

チーム全員で「行動目標」確認、共有し、指差し唱和項目として設定、唱和して締めくくります。

リスクアセスメントとは?

リスクアセスメントチェック表

リスクアセスメントとは、事業場内にある危険性、有害性を特定し、リスクを見積り、その見積りから優先度を決め、リスク低減措置の内容を検討し、実施する一連の手順です。具体的にはリスクそのもの(機械設備や化学物質等)の除去や低減、適切なマニュアルの作成、保護具の使用などの措置を管理者や経営層を含めて検討し、措置を実施することで労働災害が生じないようにする取り組みです。リスクアセスメントと KY 活動を一体的に活用すると、より一層有効なものとなります。

「手順1 危険性又は有害性の特定(機械・設備、原材料、作業行動や環境などについて労働者に負傷や疾病をもたらすものや状況かどうかを特定。)」

「手順2危険性又は有害性ごとのリスクの見積り(特定した危険性又は有害性について、それが原因で生じる恐れがある負傷又は疾病の重篤度と発生可能性の度合を確認し優先度を数値化します)」

「手順3リスク低減のための優先度の設定・リスク低減措置内容の検討(手順2で数値化した危険性又は有害性について優先度を設定します)」

「手順4リスク低減措置の実施(リスク優先度の結果にしたがいリスクの除去や低減措置を実施します)」

職場のあんぜんサイト (mhlw.go.jp)

(出典:厚生労働省/職場の安全サイト)

まとめ

ようこその文字

いかがでしたか。第1回目の「新入社員の研修期間密着レポ」では改定された新入社員研修スケジュールの第1週目について、その様子や内容をお伝えしました。学校から会社へと環境が大きく変わり、慣れない場所で慣れない人と慣れない事を覚えたり勉強したりする緊張の1週間だったのではないでしょうか。約3か月間に及ぶ「試用期間研修」まだ始まったばかりです。今後もその奮闘ぶりをお届け予定です。