現場で学び、人とつながる~「気づき」を育む鶴岡研修旅行~

松本ESテック株式会社は今年で設立70周年を迎えました。その記念行事として、当社の拠点がある”山形県鶴岡市”への研修旅行を実施しました。この記事では「気づき」をテーマにした1泊2日の「鶴岡研修旅行」の様子をお伝えします。
2025.6.12 10:00羽田空港

前日まで降り続いていた雨も上がり、梅雨の合間の穏やかな空模様となった朝、幕張工場・白井工場の従業員は、山形県鶴岡市にあるお客様先の事業所と松本ESテック鶴岡工場の見学のため、羽田空港に集合しました。当日は総勢50名がそろい、出発式を実施。「この2日間で何か一つ“気づき”を得てきてください」との社長の言葉を胸に、搭乗口へと向かいます。日常の業務を離れ、現地でしか得られない学びに触れる——。そんな機会から生まれる「気づき」を大切にした研修旅行が、いよいよ始まります。
おいしい庄内空港へ

庄内空港に着陸する少し前、機内では「おいしい庄内空港へようこそ」というアナウンスが流れます。この言葉どおり、庄内地方は豊かな自然と文化に恵まれ、海の幸・山の幸、そして美味しいお米がいただける、食の宝庫としても知られています。「おいしいもの」に溢れた「庄内地方」を以下にご紹介します。
庄内地方とは

庄内地方は、山形県の北西部に位置し、鶴岡市、酒田市の2つの市と三川町、庄内町、遊佐町の3つの町で構成されており、県土の約26%を占める地域です。東には月山、羽黒山、湯殿山からなる「出羽三山」がそびえたち、南には朝日山地、北には秋田県とその県境にそびえる鳥海山(ちょうかいさん)、西側は日本海に面しており、雄大な自然に囲まれた地域です。春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の美しい景観が楽しめるのも庄内の大きな魅力です。
生活を支える命の川「最上川」

庄内地方を語るうえで欠かすことができないのは、山形県を代表する一級河川「最上川」です。源流は米沢市の西吾妻山にあり、県内を北から西へと流れ、最終的に酒田市で日本海へと注ぎます。流域には約100万人もの人々が暮らしているといわれており、まさに最上川は地域の生活や産業を支えてきた「命の川」とも言える存在です。川の恵みによって肥沃な土壌が育まれ、美味しいお米や果物、野菜など、数多くの農産物がこの地域で生産されています。
庄内空港から食事会場へ
庄内空港に到着すると、2日間お世話になる大型バスの運転手さんがお出迎えです。2台のバスに分かれて、広々とした車内に乗り込み、私たちは食事会場へと向かいます。この日の昼食会場は、お土産屋さんが併設された「庄内観光物産館」。ここでは、海の幸を盛り込んだ「海幸丼」をいただきました。食後は、館内のお土産屋さんでお買い物タイムです。店内には、さくらんぼ・ラフランス・だだちゃ豆など、庄内が誇る名産品を使った加工食品やスイーツがずらりと並び、見ているだけでも楽しくなります。隣の棟には鮮魚売り場もあり、地元で獲れた魚介類が新鮮な状態で並んでいました。(さすがに鮮魚は持ち帰れませんでしたが…)時間を作ってもう一度訪れたい物産館でした。今回の研修旅行では、お土産購入の時間があまり設けられていなかったため、多くの社員がここでお土産を購入しました。
オリエンタルモーター様の事業所を見学させていただきました

庄内観光物産館を出発したバスは「オリエンタルモーター鶴岡中央事業所様・鶴岡西事業所様」へ向かいます。オリエンタルモーター様は松本ESテック鶴岡工場より「スリットコイル」「モーターコア」を納品しているお取引先です。
中央事業所様は2023年に建て替えが完了した社屋で、ブラックのモダンな外観からは想像できない様な、木目を活かした温かみある内装になっています。事務所からは社内であることを忘れてしまいそうな広いウッドデッキと、周囲の美しい自然を望むことができます。一方西事業所様は、晴天の青空に映える白く美しい建物で、中央事業所様同様、整えられた職場環境の美しさに、社員からは驚きの声がありました。

ご担当者様からの会社全体の丁寧なご説明を受け、製造現場見学へと進みます。製造現場は5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)が行き届いており、どこを見ても清潔でムダのない職場環境でした。自動化された設備が整っている一方で、人による作業とのバランスも良く、現場では動線確保や無駄のないスムーズな動きが随所に見られました。製品の稼働状況や規格を常にチェックできる管理設備や、危険を伴う作業を人の代わりに行うロボットなど、安全性・効率性の両立を実現した現場に、私たち一同は深い関心を寄せながら見学させていただきました。

今回の学びの機会は、松本ESテック従業員一人ひとりが、自社との違いや新たな視点に「気づくこと」ができた、大変有意義な時間となりました。この貴重な経験を通じて得た「気づき」や「学び」を、今後の業務や職場づくりにしっかりと活かしてまいります。
約2時間半にわたるご案内のために、事前のご準備や当日のご対応をいただいたオリエンタルモーターの皆さま、本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
5Sが徹底されている鶴岡工場を見学

鶴岡工場のメンバーは現在8名です。鶴岡のメンバーは千葉からの50名の社員を迎えるため、2ヶ月前から工場説明の準備を進めていました。大勢を迎えるための工夫や改善を重ね、ダイカスト棟、プレス棟の二手に分かれて鶴岡工場見学のスタートです。鶴岡工場は自動化を取り入れたオリエンタルモーター様の事業所とは真逆をいく、「人」が動かす工場ですが、5Sが徹底されており、小さいが故に目が行き届いたまとまり感があります。また、人数が少ないため「多能工化」も進めています。幕張社員も、白井社員も、「自分達にも出来ること」を気づいてもらえたでしょうか。
ホテルにチェックイン
今回の宿泊先は第一ホテル東京鶴岡。50名分の1人部屋を確保できる、大きなホテルです。別館には温泉大浴場もあり、ゆっくりと日頃の疲れを癒す事が出来ます。私たちを迎えるため、ホテルの皆様は様々な工夫をしてくださいました。
夕食会&指名発表会で盛り上がりました!

この日の夕食は、ビュッフェスタイル、海鮮、中華、洋食など、バラエティ豊かな料理が並び、アルコールもノンアルコールも飲み放題です。普段はなかなか顔を合わせる機会のない他部署の社員同士も、「はじめまして」のご挨拶を交わしながら、自然と会話が弾みます。ほろ酔いになった頃、「テーブル&座席番号」で発表者が決まる、社長指名による各班代表者の発表がスタートしました。発表テーマは「今回の研修旅行について自由に」。指名を受けた社員は、緊張しながらも個性豊かにそれぞれの旅の感想や裏話を披露してくれました。
「飛行機に乗るのが久しぶりすぎでドキドキしました!」
「入社7年目にして、ようやく社長と直接お話しできました!」
「もう今日はただただ楽しくて!最高です!!」
ーーそんな“自由すぎる”発表に会場は笑いが絶えません。終始あたたかい雰囲気に包まれた、楽しく、そして名残惜しい時間となりました。
夕食会のあとは唯一の自由行動。夜の鶴岡駅周辺には、遅くまで営業している居酒屋やラーメン店が点在しています。自然と「二次会」へ足を運ぶ社員も多く、部門や世代を越えた、親睦を深める貴重な一夜となりました。
癒しの空間をもとめて_ _加茂水族館へ

翌日の朝、ホテルをチェックアウトし、向かったのは山形県鶴岡市にある「加茂水族館」、日本海を望む高台に佇む、こぢんまりとした可愛らしい水族館です。この外観からは想像もつかないほど、館内には世界的にも珍しい魅力が詰まっています。実はこの加茂水族館、「展示されているクラゲの種類の多さ」でギネス世界記録に認定された、クラゲ好きにはたまらないスポットです。
館内に一歩足を踏み入れると、幻想的に漂うクラゲたちがお出迎え。照明を落とした空間に、気持ちよさそうにふわふわと浮かぶクラゲたちは、観る人を夢の中にいるような気分にしてくれます。くらげの生態や栽培の様子を紹介するコーナー、種類や体のつくりを分かりやすく紹介する手書きのパネル、なども充実しており、職員の方々のクラゲへの深い愛情とこだわりが感じられます。生物学的な情報がわかりやすく紹介されている一方で、どこか温かみのある手作り感もあり、大人も子どもも楽しめる空間となっています。

水族館のなかで特に目を引くのは、フォトスポットとして人気のある「クラゲドームシアター」です。直径5メートルを超える巨大な円形水槽の中を、約1万匹のミズクラゲが優雅に泳ぐ光景は圧巻です。青白い照明に照らされたその姿は、時を忘れて見入ってしまうほど幻想的で、まるで海の中に迷い込んだかのような、不思議で心地よい非日常を味わうことのできる空間でした。クラゲという不思議な生き物の魅力を、様々な角度から感じることができました。
水族館を後にした2台のバスは、月山や鳥海山、湯殿山などの連峰を眺めながら庄内空港へ向かいます。庄内空港で解散式を行い、それぞれが帰宅の途につきました。
研修レポート
1泊2日の研修旅行にはレポート提出が必須です。「団体で行動するということ」「お客様先の事業所で気づいたこと」「鶴岡工場での発見」など、それぞれが「気づき」をレポートしました。その一部をご紹介します。
- オリエンタルモーター様のどちらの事業所も、5Sが徹底されていることを感じた
- 作業者が作業しやすい職場環境や不良が出にくいシステム構築がされており、素晴らしいと思った
- 松本ESテックの製品がお客様先で完成品となっているのを見ることができた
- 作業者の教育や部品の組み間違いが起きないような仕組みができていた
- 自動化と人の手を介する仕事の調和が感じられた
- 鶴岡工場のチームワーク、品質管理に対する高い意識を感じた
- 普段交流のない他部門、他工場の社員と話すことができ、良かったと思う
- またこのような機会があれば参加したい
まとめ

いかがでしたか。今回は設立70周年記念行事で実施した「鶴岡研修旅行」について、その様子をお伝えしました。社内の記録を振り返ると、かつては社員旅行や運動会といったイベントも行われていたようですが、現在在籍している社員の多くはその経験がありません。昨今では敬遠されがちな宿泊を伴う社員研修旅行ですが、今回の鶴岡研修旅行は好評で、社員同士のつながりが深まる良い機会となりました。提出された研修報告書からはそれぞれの社員が「学び」や「気づき」を得ることができた様子がうかがえ、単なる見学や旅行にとどまらない、実りある時間となったことが伝わってきます。今後もこうした「気づき」と「つながり」の機会を大切にしながら、より良い職場づくりにつなげてまいります。