今年度最後のオーダーセミナーを開催!

2月13日、松本ESテックでは今年度最後となるオーダーセミナー「チーム力の強化と中堅・ベテラン従業員の役割」を実施しました。このコラムでは、参加社員が考えた「自分たちの役割」について、セミナーの様子とともに詳しくお伝えします。

今年度を締めくくるセミナー

トレーニング

白井工場、幕張工場から集まった、在籍10年~20年となる現場リーダー的存在の社員たち。電磁鋼板を正確に切り出すスリッター工程、最新型プレス機を操るプレス工程、モーターコアに付加価値を付ける組み立て工程、そして工程全体の流れを司る生産管理。松本ESテックのモノづくりを支える多くのセクションの社員が幕張の食堂に集合しました。彼らは日々それぞれの持ち場で難局を乗り越えてきた熟練した社員たちです。創業時とは比較にならない技術の高度化、部署間連携の重要性、そして後輩の育成など、自分たちに「求められる役割」とは何か。その役割を全うするために必要な「行動」「考え方」「伝え方」とは何か。2月13日は一人ひとりが自身の歩みを振り返りながら、これからの松本ESテックを作るため、真剣に考える一日となりました。

指導者の理解度~品質向上と安全確保の鍵~

セミナーの序盤、私たちが真っ先に突きつけられたのは「指導者の理解度」という本質的な課題でした。スリッター、プレス、組み立て、どの工程においても、指導者の知識が曖昧だったり、解釈が間違っていたりすると、指導を受ける側はそれが「正解」であると認識してしまいます。この「曖昧さの連鎖」こそが、品質低下や不良の発生、さらには重大なトラブルや事故を招く引き金になりかねません。

「なんとなく自分はこう教わったから、後輩にも同じように教えた」 かつては「俺の背中をみて学べ」と言うスタンスが通用していた時代もありました。現代社会においても、精密なモノづくりを追求する今の私たちにも、このスタンスはもはや通用しません。ここで重要なのは、指導者が「正しい技術」の根拠を言語化できているかどうかです。「なぜその業務が必要なのか」「その背景にある物理的な知識や考え方は何か」。生産管理の視点で見れば、一つの工程の遅れやミスが全体にどう影響するか、までを理解させる必要があります。

仕事の目的や理由を論理的に説明できて初めて、教わる側は納得感を持ち、自立を促す教育へと発展します。指導者が「正しい技術と知識」を再定義し、教育内容のばらつきをなくすこと。それが、松本ESテックが誇る品質と安全を担保するために必要であると、全員が再認識しました。

部門を越えた交流の大切さ~セミナーのお弁当を活用して~

午前の集中した講義を終え、今回も「ちょっと豪華なお弁当」が用意されました。毎年実施しているオーダーセミナーの収穫は、講義だけではありません。セミナーでは、工場や部門を越えた普段は顔を合わせたり、話したりする事がない社員同士の交流が生まれます。意見交換やグループワーク、昼食の時間は、この貴重な交流の場です。「情報共有不足は全員が感じている」というセミナー内のアンケート結果がありましたが、このような交流の積み重ねは、部署間のコミュニケーションを活発化させる「信頼関係」を育んでいきます。

「どうしてできない?」からの脱却

午後からのワークでは、より踏み込んだ「コミュニケーションの技術」に焦点が当てられました。特に参加者の胸に深く刺さったのが、「指導における自分との比較」です。

「どうしてできないの?」 この問いが頭に浮かんだ瞬間、指導はストップしてしまいます。この問いの正体は「自分ならこうするのに」と言う感情で、無意識に「自分」と比較している、との講義に納得、参加者にも深い気づきがありました。「自分ならこうするのに」を捨て、相手の立場に立った指導、つまりは相手を理解することが大切です。

それぞれの工程にはその工程ならではの難しさがあります。同じ工程で作業をしていてもキャリアの違いや得意不得意、理解の速度も違います。自分を基準にするのではなく、「相手の立場」に立ち、何が足りないのかを根気強く見極めること。「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやる」。山本五十六さんの精神である基本に立ち返り、できたことを正しく「承認」する。それが、若手の能力向上だけでなく、指導する側自身のマネジメントスキルの向上にも直結するのだということをこのセミナーを通して改めて学びました。

アサーティブな考え方とは

「アサーティブ(適切な自己主張)」という考え方をご存じですか。 感情的にぶつかるのではなく、相手も自分も尊重しながら、自分の考えを率直に伝える技術です。「適切な自己主張」をするのは簡単なことではありませんが、気持ちよくコミュニケーションをとるために、できる所から実施したい、という社員の声もありました。

どこからがハラスメントか

現代の職場において避けて通れない「ハラスメント」についても、踏み込んだ議論が行われました。「グレーな言葉」が受け手にとってはどう響くのか。指導側が萎縮してしまう「ハラハラ(ハラスメント・ハラスメント)」をどう防ぐのか。とても繊細で難しい問題ですが、「正しく」「ハラスメント」の定義(優位性・適性範囲超え・就業環境悪化)についても確認し、ケーススタディーでは事例を基に、パワーハラスメントか否か、についても全員で考え、答え合わせをしました。

松本ESテックの新入社員研修計画

松本ESテックでは、新入社員研修を個別に計画し、研修スタート後は習熟度に合わせ、課題を確認しながら都度アップデートしています。この仕組みは新入社員を迎えていないチームは未経験であるため、今回のセミナーで実際の計画書とともに、講師の方がご紹介くださいました。

まとめ

リーダーセミナー ワーク

松本ESテックが継承し続けてきた技術。それを支えているのは、機械設備や精密な図面だけではありません。結局のところ、現場で交わされる「言葉のやり取り」と「相互理解」そしてそこから生まれる「信頼関係」なのではないでしょうか。今回のセミナーを通じて、各部門のリーダーたちは、「組織が良い方向へ向かうよう自ら働きかけること」「周囲の意欲に良い影響を与えること」を役割として再認識するとともに、自分たちの振る舞いがチームに及ぼす影響を深く考えることができました。

私たちが新入社員に対して、画一的なマニュアルではなく「個別研修計画」を作成している理由、そして、その計画をあえて固定せず「都度アップデート」し続ける手法。これらはすべて、今回のセミナーで再確認した「相手の立場に立ち、その人にとっての最適を共に模索する」という考えの現れです。

今回のセミナーを受講したリーダーたちが現場に持ち帰るのは、単なる指導スキルではありません。相手を深く理解しようとする「姿勢」そのものです。「自分ならこうする」を一度手放して、「あなたならどうするか」を共に考えることができる、そんな対話が当たり前になった時、私たちは今よりもっと強く、さらに風通しの良い職場環境へと進化するでしょう。